今回はサーボブラケットの製作方法を紹介します。
2足歩行ロボットに使用したブラケットは散々曲がったのでイトーレイネツ製のように補強を入れたものを作ります。
対応サーボはやっぱりMicro-MGです。
前回同様に3DCADで形状の検討をします。
今回は丸型サーボホーンを使用するものとし、補強ついでに側面にも取付穴をあけます。(またパクリですね〜)
また使用頻度の少ないアームのヨー軸用の穴は廃止しました。(必要になったら専用パーツを作ればよいかなと)
次に2DCADで展開図を書きます。
アルミ板を曲げると曲げた部分で寸法が縮むのでその分を予めずらしておくことが必要です。
私は試作品を実際に作ってみて縮んだ部分を図面にフィードバックしてまた試作と繰り返しました。
だいたい1mm厚のアルミ板で0.5mm縮むようです。
展開図が書けたらシールの用紙に印刷します。
CADは何でもよいのですが、私はCADNY8を使用しています。
左の6本はアーム、真中の6本はブラケット、右の縦長のは四角いワッシャ多数です。
アームとブラケットは意図して両方とも24mm幅になるように書いています。
材料は1mm厚のアルミ板(ツクモ ロボット王国で購入)を使用します。
切断加工の手間を省くため(職場の)シャーリングマシンを使わせてもらい24mm幅に切り落としました。
アルミ板は200mm*300mmなので24mm*300mmの短冊状のものができます。
4本切り出せばブラケットとアームが6セット分できることになります。(ワッシャは切れ端で作っているので数には入りません)
この短冊にCADで書いたブラケットの絵をビシッと隙間の無いように貼ります。(切る時の余白なぞ考えません)
24mm幅で書いているので幅はぴったり。
横に3枚分貼るとほぼ埋まります。
ブラケットは少々余白がありますがアームはぴったりです。
(3枚貼るために両方とも100mmに収まるように設計しています)
次に折り曲げるラインにカッターナイフでケガキ線を入れます。
この辺はバ〜ニング宮田さんの板金術が参考になります。(ていうか私のは参考にしない方が良いかも)
センターポンチを打ちます。
世の中にはオプティカルセンターポンチなる優れた道具があるそうですがオートポンチ(押し込むだけでポンチが打てる簡単な道具)でやってます。
ちなみに慎重にやってもずれる時はずれます。
ずれた時は穴あけの時に何とかします。
それでもなんともならなかったら穴を大きくするなり長穴にするなりしています。
パーツを分解します。
実はメリーカッター(SX−10)で切ってます。
これなら余白が無くでも余裕で切れます。
ただし、上から押し切る都合上、切断面は多少斜めになります。
メリーカッターでアームの四隅の面取りも切れますが、穴あけの時に固定しにくくなるので後で切ります。
(注 : メーカーの取説にはアルミ板を切っても良いとは書かれていません。アルミ板によっては切れないものが有るかもしれませんしメリーカッターが破損するかもしれません。もし切れなかったり破損したりしても絶対にメーカーに問い合わせないで下さい。)
ブラケットの切り欠きはハンドニブラでガジガジします。
多少のバリはカッターナイフで削り取ります。
アーム側は切り欠き巾がハンドニブラの刃の巾より狭いのでノコギリで切ります。
削りたい部分だけ出してバイス台(万力)に挟むと削りすぎずに済みます。
(注 : こういうやりかたをするとバイス台にキズが入ったり削れたりしますので自己責任でお願いします。ちなみに私はすでにキズだらけになっているバイス台でやってます。)
まずは切り欠きの両端にノコギリを入れます。
次に残った部分に斜めにノコギリを入れます。
と、だいたいこんな感じになります。
あとは平ヤスリでゴリゴリして微調整してできあがり。
例によってバリはカッターナイフで取ります。
ボール盤で穴をあけます。
小さ目のドリルで下穴をあけますが、ポンチの位置がずれているのは注意してあけます。
ずれているのはまずポンチに触る程度でドリルを下げるのをやめておいて、材料側にちょっと力を加えてセンター方向に寄せます。
細いドリルなのでドリル自体が曲がってしまいますがそのまま待つとセンターに寄ってくるので「ここがセンター」と思った時に一気にドリルを下げて貫通させます。
でも注意してあけるのはサーボの「ミミ」を止める穴と「ホーン」の穴だけなんですけどね。(後でタップを切るので)
穴あけが終わったら保護シートを剥がしてバリをとります。
大き目のドリルを手で直接押し当ててグリグリ取ります。
ただしアームのサーボホーンの軸が入る穴だけはホーンにRが付いているのでボール盤で大きめに面取りしておきます。
ここまでできたらアームの四隅の角をメリーカッターで落とします。
自作の「曲げ曲げくん」(ホーザンのK-130 板金折り曲げ機のようなものと思ってください)で曲げます。
まずはブラケットの両サイドの補強部分から曲げます。
巾が広いのでクランプを追加しています。
反対側も曲げます。
この時点で内側の寸法がでていなければ全ておじゃんなので慎重に・・・。
補強折りが終わった状態。(アームも)
ここまではホーザンの折り曲げ機でもなんとかなりますが次が問題です。
どうあがいてもそのままでは挟めません。
しょうがないので「曲げ曲げくん」の押さえ板を外し適当なブロックで押さえて曲げます。
適当なブロック・・・と探したらこんなのを発見しました。
いわゆるT溝ナットというやつです。
職場に何種類かあったのでブラケットの中に入るのをセレクトします。
このようにケガキ線に合わせてT溝ナットをセットし(1個だとバランス悪いので2個使用)クランプします。
「曲げ曲げくん」の構造欠陥でベースと曲げ板の間が大きく開いているのでこのように小さいものは曲げられませんので適当な板(って30cmの金尺だー。ホントはこういう使い方をしてはいけません。)をあてて曲げます。
内側の曲げも同様に行います。
クランプする時はまっすぐにしなければならないのでスコヤーを当てています。
アームも同様です。
最後にネジ穴の必要なところにタップを切ります。(ホントは左手で押さえますが左手はカメラを持っているので。)
6セット完成ぃーーー。
2足ロボに使ったものと比べれば格段に強度UPしてますし、見た目もかっこいい・・・ような気がします。