基板加工データの作り方

データの作成にはプリント基板エディタなど専用のソフトは使わずに、2D機械CADの鍋CADを使用しています。
プリント基板エディタは基本的にガーバーデータと呼ばれるフォーマットで出力されますが、CNCで扱うGコードに変換できないためです。(変換ツールがあるのかもしれませんが)
またEAGLEなどを使用すると直接Gコードを出力するみたいですが、とっつきにくかったのでいつも使っている鍋CADですませてしまいました。

まずは製作する基板の外形を書いておき、部品を配置します。(基板を部品面から見た状態です)
もちろん鍋CAD用の電子部品ライブラリなんか有りませんので全て手製です。
部品を配置するときはグリッドを2.54mm(1/10インチ)ピッチ(またはその分数)にしておきます。
この時点でなんとなくでも端子の配置、配線の流れなどを考慮する必要があります。
次に新しいレイヤーを開き、必要な配線を繋ぎます。
極力配線はクロスしないようにピンの間を通すなど一番苦労するところであり、考えるのが楽しいところでもあります。
どうしてもクロスしてしまう場合は部品の配置のやり直し、または部品面でジャンパーするなどして回避します。
今回の基板ではジャンパーなしでできました。
更に新しいレイヤーを開き配線をたどりながらパターンの絵をひたすら描きます。
コツとしてはランドをなるべく大きく丸く。
ピン間を通すときに欠けてもいいから丸を大きく。
実際にハンダするときにありがたみがわかります。
ただランドを四角にするよりGコードの行数は確実に増えます。
更に更に新しいレイヤーに穴あけ用の丸を描いておきます。
ただしGコードを生成するときの基準になるので外枠だけは書いておきます。
穴は基本φ0.8mm、ピンヘッダなど足の太い部品はφ1.0mmでやっています。
部品面から見た図でパターン図を書いているので左右反転します。
そして左下のかどっこからXYとも2mm離したところに縦横の線を引いて「おまじない」とします。
(穴あけの図や切り出しの図は「おまじない」は入れません)
できたらDXFで保存します。
次にNCVCに「ファイル」→「開く」でDXFファイルを読み込みます。
ただし、鍋CADで作ったDXFファイルの場合「オプション」→「DXF関連の設定」の画面の設定を左の様に変更して読み込むレイヤーを指定する必要があります。(読み込みまではできますが、Gコードへの変換が出来ません)
「ファイル」→「NCデータへの変換」→「単一条件(従来互換)」として左の画面を出します。
「編集」を押します。(「kiban.nci」は私が作ったファイルなので標準では存在しません。デフォルトで出た名前で「編集」をクリックしてください。)
設定画面が出るので基板加工用の切削条件を設定します。
(「切り込み」が銅箔を削りとばす深さですが、使用するCNCマシンによって機差が有るので「-0.150mm」でできるとは限りません。少しづつ送り込んで自分のマシンにあった値を探しましょう。)
設定ができたら「新規保存」を押して「kiban.nci」とか自分で「基板用の設定だ」とわかる名前を付けておきます。
できたら「OK」を押すとウィンドウが閉じるので一つ前のウィンドウにもどり更に「OK」を押します。
と、Gコードが生成されます。
一旦NCVCは終了します。
できたGコードをテキストエディタで開きます。
反転した部分は要らないので(Mach1でハングするので)削除します。(「M8」は切削油ONかな?)
またGコードの最後の「G00Z0」は「G00Z5.0」に変更しておきます。(Gコードを読むとZ軸0.0位置でXY軸0.
0へ移動することになっています。Z原点は0.0で銅箔表面なので線を引いてしまいますので予め上げておきます。)
その下の「M9」(多分切削油OFF)は削除します。
これでパターン用のデータは完成です。

穴あけと切り出しのGコードはJMM−TOOLで普通に作ります。
複雑な回路パターンをJMM−TOOLに読み込ませるとなかなか正常にGコードを生成してくれませんので・・・
回路パターン切削なら1回しか切り込まないしツールの半径分のオフセットも不要なのでNCVCで生成しても問題ないわけです。
ただし、JMM−TOOLは左下に2mmづつマージンをとるため「左下のおまじない」で、つじつまをあわせます。
また加工するときは必ず「おまじない」から始まるので、ここの部分で「バリ」とか出ないか、加工深さは良いかを見極めています。

実際に加工するとこんな感じになります。
基板カッターはオリジナルマインド製。
φ0.8mmの穴はドリル加工。
φ1.0mmの穴は基板の切り出し時に一緒にエンドミル(1.0mm)であけています。