製作目的

携帯電話のメモリデータ編集ソフトは1本持っていると便利なのですが、なかなかケーブル単品というのは店であまり見かけなく、しかたなく常時カバンに入れて持ち歩いています。(USB接続でモデム機能つきなので、ノートPCを持ち歩いている時にたまに役に立つので)
で、インターネット上でケーブルを探してみました。
驚いたことにフリーソフトでメモリダイヤルソフトが存在し、ケーブルは自作対応とか載っているのです。
「1本作っておけばデスクトップ用になるな〜」っというわけで製作開始です。
ただ、回路図をみて作っただけでは記事になりません。
いろいろ小細工をしたので参考になればと思います。

仕様

USBなんて解析するだけで頭痛そうなのでシリアル接続にします。
というのも携帯電話の通信形式はいわゆるRS-232Cと同じ形式なので、データ的には互換性ありです。
互換が無いのはその電圧レベルで、TTL/C-MOSレベルになっています。
つまり、PICとPCを繋ぐときのようなレベル変換回路だけ組んでやればよいことになります。

ちなみにTTL/C-MOSレベルとは、電子回路でもっとも一般的で「+5V」でHi、「0V」でLoでやり取りすることをいいます。
たいしてRS-232Cの電圧レベルは「+9V」でHi、「-9V」でLoなので0を +3V〜+15V , 1を -3V〜-15Vで表すので、シリアルポートを携帯に直結したら壊れてしまいます。
レベル変換とはこの電圧差を吸収する回路のことを言います。

試作

まずは携帯電話側のコネクタを入手できなければ話は始まりません。
パーツ屋へ探しに行ったら案外有るもんで、目に付いた\360のを手にレジに向かいました。
店員さん曰く「\96のもあるけどいい?」っとそれを見せてもらったらちゃんとケースは分解できそうだし、ピンは全ピンとも揃っていたので激安のこいつにしました。

家に帰ったら早速分解。
がしかし、思わぬ落とし穴が・・・

表側の端子はそれなりにハンダしやすそうなのだが・・・

裏はなんと、使わないピンは切り取られていた・・・
しかもこっちに大事なデータラインがあるのにぃぃぃ。
考えていても始まらないので、無理やり残っている端子にハンダすることに。

ハンダして携帯に挿してみたの図。
携帯電話は機種変更で使わなくなったD209i。
さすがに自作の実験でいきなり現在使用中の機種を繋げる勇気無し。(笑)

例によってブレッドボードで接続実験です。
ケーブルは細身のUSBケーブルを切って使用しています。(いや別件で切って使ったんでその余りです。)
画像の左下のPICは別の実験中ので意味無し(笑)。
シリアルケーブルにつながっいるのがレベル変換ICの「ADM232AAN」。
このICは前述のレベル変換を1チップで行ってくれる便利なICです。
でも駆動するのにセラコンが5個要るし、シリアルコネクタも付けなきゃならないので、ブレッドボードで毎回組むのは面倒なので、ひとまとめのボードにしておいたものです。
ボードにピンヘッダの細いのを付けておいたのでブレッドボードに直挿しできます。
で、この状態で「SSIトリスター」製の「携帯万能9」で接続確認したところ・・・大成功。
機種判定からメモリアドレスの取得まで、全然問題無しでした。
気をよくして現在使っているP504isも繋げてみましたがこちらも問題なし。
というわけで、ちゃんとした基板に起こすことにします。

1号機

まずはこのような形にスルーホールのユニバーサル基板を切り出します。

左にミミを残しておくのがミソです。
こんな小さな基板をど〜するかというと・・・

このように9ピンのシリアルコネクタのケースに入るわけです。
つまりコネクタ内にレベル変換回路を組み込むのが今回の目標でもあるわけです。
他の方の製作記事では別基板をケーブルの間に入れたり、コネクタに入っていても25ピンのだったりするのでチャレンジです。
いつものようにコネクタの端子をパターンに直ハンダしていないのは、基板がスルーホールな為です。
もしやってしまうと、反対側のピンとショートしてしまうので、ミミで調整し、最初の1列目で端子を起こすわけです。
とまあこのような基板面積しかないわけですから、と〜然レベル変換ICの「ADM232AAN」は載りません。
どうするかというと、これまたいつものようにトランジスタと抵抗少々で組むことになります。
それと外部電源が要るようではスマートではないので、内部に+5Vを作り出すレギュレータも組み込む必要があります。
「え〜組めるんかいな〜」というような声が聞こえてきそうですが・・・

できるんですぅ〜(爆)
しかも裏には部品を配置してないので多少の余裕もあります。
裏も使うかと思ったのでスルーホールにしたのですが片面の基板でよかったですね、これじゃ。
で接続実験です。

D209i ・・・・ OK
P504is ・・・・ NG

なぜじゃ〜〜〜!?
抵抗値をいじったり配線を直してみたけどダメ。
P504isの出力が弱いのかなんなのかさっぱりです。
ここで1号機とは手を切りました。
(たとえ微調整でP504isと接続できても不安要素がのこるのがイヤなので)

2号機

まずは限界まで基板を大きくとります。

でも大きくしたって言ってもADM232AANが載るわけではありません。(泣)

上の4ピン分が見事にはみ出しています。
普通の人はどうしたらコレが収まると考えるでしょうか?
私の回答はコレです!!

このようにはみ出した部分をノコギリで切ってみました。
「え〜それで動くんかいな〜」という声が聞こえてきそうですが無視します。(笑)
もともとADM232AANは送受信の端子を2組分持っていて、2チャンネル目の分が7、8、9、10の各ピンに割り当てられており、丁度切った部分に相当するというのが理屈です。
通常のシリアル通信回路であればこの2チャンネル目はハードウェアフロー制御(取りこぼしを無くすための信号線)に使うものであり、今回の携帯のデータリンクには不要といえば不要です。
(とは言っても切っても動くのを私が保証するものではありません。今回たまたま動いただけかもしれませんので、各自の責任でお願いします。)
というわけで組んでみました。

左から上から見た写真、裏から見た写真、側面から見た写真です。
ADM232AANとレギュレータは表面、セラコン群とダイオード(シリアルポートから電源を取るため、逆流防止用)は裏面に配置しています。
なんかひじょ〜に綺麗に収まってしまってちょっと幸せ・・・。
で接続実験。

D209i ・・・・ OK
P504is ・・・・ OK
J-T03 ・・・・ OK

J-T03は親が使っているのを借りてきました。
どれもOKになったので、やはりレベル変換は専用ICを使わないとダメみたいですね。
回路図も一応書いてみました。

ADM232AANを切るのでその辺りをわかりやすくしたつもりです。