MicroMG専用裏フタの作り方

PL法対策(笑)
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なおこのページはβ版で予告無く修正が入りますのでご了承願います。(内容自体は変わりません)2005/1/5修正終了

まずは2DCADで以下のような絵を2枚(2ページに分けてと言う意味です。1ページに2個描いてはいけません。)用意します。
左の絵はポテンショを避けるためのポケット加工用で右は切り出し用です。

大雑把に寸法を入れておきました。(自分がノギスで計測した値なので参考程度に・・・)

それぞれを別々に「DXF」形式で保存します。(寸法線は保存しちゃダメですよ)
micromg_01.dxf
micromg_02.dxf
保存したファイルを今度は「JMM-TOOL」で開きます。
シェアウェアですがとりあえずこの程度の加工なら制限内(Gコード500行以内)に納まるハズです。
とりあえず左のファイルを開きます。



次にツールバーから「オプション」→「設定」を選択します。

必要な個所を設定します。

材料の厚み ここでは加工量を入れます。ポテンショのポケット加工しかしないので1.7mmにします。
1回の切削量 材料や工具の性能を見ながら設定してください。ただあまり量を少なくすると500行をオーバーします。
1回目の切込みを半分にする 相手がアクリルなら多分不要でしょう。アルミとかはチェックした方が良いかも。
エンドミル直径 自分が使用する工具径を(刃のですよ。軸径ではなく)入れます。
主軸回転数 黒い奴では速度指定がそもそも出来ないのでこの項目は無視。
Z軸原点 後述しますがZ方向原点を決める時にスペーサを使用する場合に指定します。
Z軸(down speed) Z軸移動速度。CNCの世界では1分間に何ミリ動くと言う単位で指定し、Gコードでは「F200」とか表記します。
Z軸(down cut speed) Z軸加工速度。工具を材料に突っ込むスピードなので速くすると心臓に悪い。
Z軸(up speed) Z軸上昇スピード。逃げる方向なので機械限界速度でOK。
XY軸(cut speed) 実切削速度。一番重要。アクリルの場合あまり遅すぎても樹脂が溶けて工具に張り付くので自分で最適を探すべし。
XY軸(on air speed) 移動速度。jinさんの説明にも有りますがあまり意味なし。
Z軸 R点 (Safe Pos) 加工面よりどれだけ離して動くかということ。1mmでも良いですが保険で5mmくらいは入れましょう。

うんちく。Gコードについて。

Gコードとは要するに機械が動く座標とスピードを表記したものです。
座標を指定するには通常2つの方法が有りまして1つは絶対座標「ABS(アブソリュート)」、もう1つは相対座標「INC(インクリメンタル)」です。
ホントは座標系を指定してオフセットをかけてとか色々ありますがこの場では触れません。
ABSは原点「X,Y,Z:0,0,0」からどれだけ離れているかの量(距離と言った方が良いかな?)を指定します。
INCは自分が今居る座標を基準にして「どこに行くか」の量を指定する方法です。
ホビー用CNCはほぼ前者の絶対座標「ABS」ですのでこちら前提で話を進めます。

さて実際のGコードはこのように書かれます。
N0010 G00 X0.0 Y0.0
N0020 G01 Z-5.0 F100

「N0010」は行番号です。
無くてもCNCは動きますが、ぱっと見で今どの辺を実行しているかわかり辛いので有った方がよいです。
次の「G00」は移動命令です。
この命令以後はCNCソフトで指定された移動速度(早送り速度とも言います)で各軸が動くようになります。
「X0.0」「Y0.0」はX軸とY軸を原点に移動しなさいと言う命令です。
もちろん早送りスピードでです。

CNCは他のプログラム言語と同様に1行を単位としますので移動が終了した時点で次の行を実行します。

2行目の「G01」はその行中の「F」で指定された速度で移動する命令です。
なのでG01がある行は「加工の行」と思ってください。
「Z-5.0」はそのあとすぐ「F100」が指定されているので1分間に100mmの速度で移動します。(原点から5mmミルを下げるということ)
注意して欲しいのは例えば
G01 X5.0 Y5.0 F100
だった場合、XとY各軸がそれぞれF100で動くわけではなく、合成された軌跡を走るスピードになるということです。
簡単に言うと斜めに走る速度と言うことですね。

あとは円弧補間の「G02」とか有りますが・・・省略ということで。
いや私も手書きで書くことは無いんで・・・説明できないです・・・。

その他ではMコードと言うのが有ります。
M03 スピンドル正転
M04 スピンドル逆転
M05 スピンドル停止

とりあえずこれくらい理解できればホビー用CNCは動かせるでしょう。

えっと大幅に脱線しましたがJMM-TOOLの設定が終わったら「OK」を押します。
「ツールパスを初期化しますか」は「はい」を押します。
(JMM-TOOLのライセンス登録をしていないうちは設定の保存はできませんので毎回入力が必要です。)

画面が更新されたら画面左側の一番上の行をクリックします。

外周が赤枠になったと思います。
ここでキーボードから「D」を押します。
水色の線も無くなりましたね?
これはこの線を加工しないという意味です。
「だったら最初からCAD図で描かなければいいのでは?」とお思いの方もいるかと思いますがJMM-TOOLは(て言うかCAMソフトは)図の左下基準でGコードを出力するため、2回に分けて加工する時は左下の基準が必要なのです。
左下の影響の無いところに基準穴を描いておくのも手です。

2行目をクリックします。


1:G O< 1.70 の「<」は赤線の内側を工具の半径分ずらして加工するという意味です。
赤線の内側を走る水色の線が実切削のラインになります。
これはこのままでOKなので3行目に移ります。


3、4行目は掘り込む軌跡がそのまま描いてあるので工具径の半分ずれてほしくありません。
そこで3、4行目は「L」を押すと軌跡どおりにGコードが生成されます。
これで設定は終わりです。
「オプション」→「ジェネレート」を押すとGコードが生成されます。
デフォルトではc:¥に「out.ncd」と言うファイル名のはずです。

同様にもう1つのファイルも生成しますが、こちらは切り出し用データなので「材料の厚み」を3mm(もちろん使用する材料の厚みです。1.7mmより厚ければいけるはずです。)にしておきます。
あとはデフォルトでOKです。

micromg_01.ncd
micromg_02.ncd(3mm厚の材料用なので注意、3mm以下の材料ではワークプレートを削ります)

さて無事にGコードが出来たら確認してみましょう。
NCVCをインストールしてGコードを展開してみます。

このように工具の軌跡が3Dで表示されてとっても便利です。
ここで掘り込みたいところ以外に線が走っていなければほとんどOKです。
確認が出来たらNCVCは終了します。

材料の準備に入ります。
ワークプレートに3mm厚のアクリル板を両面テープで貼ります。

ワークプレートに直接貼らずに捨て板を一枚貼っておき、その上に貼るようにします。(まんいち削りすぎてもワークプレートまでダメージが来ません。)
両面テープはいろいろ貼った結果粘着力の弱いものが良いという結果になりました。
私は以下の写真のようなテープを使用していますが、加工対象によっては強力タイプを使い分けた方が良いかもしれません。

機械にワークプレートをセットしたらCNCソフトのMach1を起動し、原点を出します。
黒い奴式では調整用に10mm径の平行ピンが付いてきますのでピンが滑らかに通りつつミルに接触する感じがあるくらい・・・言葉での説明は難しい・・・のところにZ軸を持ってきます。

まるでくっついていますがピンはするする通ります。

ピンが無い場合はそのまま材料に接触する位置を探します。
Jinさんの説明によるとアルミ箔を敷いておいてアルミ箔が挟まるまで下げる・・・これもびみょ〜。
材料の上でミルを一旦緩めて材料にあたって止まったとこで締めなおしても良いかも。
プロクソン改なら「E-STOP」状態でハンドルで手回しっていう方法もありかな。
どちらにしてもスペーサー無しでやる時はJMM-TOOLの「Z軸原点」を「0mm」にするのを忘れずに。
もし忘れるといきなり材料へ10mm突っ込みます。
サンプルGコードは10mmピンがある前提ですので注意してください。。

Z軸はこれでOKでXY軸は左下を基準に加工するので材料の左端に移動しておきMach1の画面下半分の「GCode」タブから「Zero All Axis」を押せばその位置が原点になります。


次にツールバーの「File」から「Load G−Code」でGコードを読み込みます。
上半分の画面を「Path」にしておくと読み込んだGコードの軌跡を表示するので楽しいです。



心の準備が出来たら下画面の「RUN」ボタン(私のマシンでは半分切れて見えません※1(何故?)が「Stop」ボタンの隣です)を「ポチッとな」とかいいながら押します。
最初の一発目は何が起きるが判らないものなので「E-STOP(エマージェンシーストップの略。日本語なら非常停止)」を構えておきます。
※1どうもウチの環境のせいではなかったようです。レイアウト変更で修正できると助言を頂きました。Hide-iさんのところに修正ファイルがUPされています。感謝!
うまく加工できるとこんな感じになります。



ポケット内がバリだらけに見えますが、熱でくっつていてるだけで実は滑らかに仕上がっています。
触るだけで取れるようなものです。
加工が終わるとZ軸は材料面から5mmのところで止まっているはず(JMM-TOOLの設定の「Z軸 R点 (Safe Pos)」で指定した位置)なので掃除が済んだらそのまま次の切り出しGコードを読み込みます。
原点は同じでよいので(て言うかずれたら困るので触ってはダメ)そのまま起動します。
うまくできると・・・



ものの5〜6分で出来上がります。
MicroMGに取り付けるとこんな感じになります。



もちろんサーボの基板は外しておいてください。
モーターは裏フタを付けてから差し込むとうまく入ります。
先につけてしまうとケースのハンダ跡に引っかかって入りませんでした。
基板取り付け位置とか配線方法とかは各自考えてください。(私もまだ配線していません(笑))
反対軸穴は基準程度だとお考え下さい。
肉厚が薄いのでタップを立てるのもどうかと思いますので・・・。

最後に。
Gコードのうんちくをダラダラ書きましたが、実は作業中にGコードになんら手を加えずにGUI環境だけで済んでいるのにお気づきでしょうか?
つまりJMM-TOOLのようなCAMソフトがあればCADデータをそのまま加工できるということなのです。
なにせこの私が黒い奴で一番最初に作ったロボット部品がこれなのだから・・・。

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